精子運動率が上がらないのはなぜ?3ヶ月以上取り組んでも変わらない男性へ

3ヶ月以上取り組んでも精子運動率が上がらない男性が確認したいこと「食事や睡眠を見直して3ヶ月たったのに、精子運動率が上がらない」

「亜鉛やCoQ10を続けているのに、前回とほとんど変わっていない」

「次の採卵が決まっている。今から何をすればよいのだろう」

精液検査で運動率や前進運動率を指摘され、食事、サプリメント、睡眠、運動などに取り組んでいる男性は少なくありません。

それでも再検査で数値が思うように変わらないと、

「自分のやり方が間違っていたのではないか」

「もっとサプリメントを増やしたほうがよいのではないか」

と不安になることがあります。

最初に結論をお伝えすると、精子運動率が上がらない理由を、一つに決めることはできません。

精液検査には変動があり、禁欲期間や採取状況、最近の発熱などによって結果が変わることがあります。

一方で、精索静脈瘤、ホルモン、感染症、薬剤など、生活改善だけでは対応できない原因が隠れている場合もあります。

3ヶ月取り組んでも変わらないときは、新しいことを増やす前に、検査条件、医学的な評価、生活習慣、現在飲んでいるサプリメント、次回の採精予定を一度整理することが大切です。

この記事では、精子運動率が上がらない男性に確認してほしい7つのことを解説します。

精子運動率とは?

精子運動率とは、精液中に確認された精子のうち、動いている精子がどのくらいいるかを表す数値です。

精液検査では、主に次のような項目が確認されます。

  • 精液量
  • 精子濃度
  • 総精子数
  • 総運動率
  • 前進運動率
  • 正常形態率

総運動率は、動いている精子全体の割合です。

前進運動率は、その中でも前方へ進んでいる精子の割合を示します。

WHOの精液検査マニュアル第6版では、参考となる下限値として、総運動率42%、前進運動率30%などが示されています。

ただし、この数値は妊娠できる男性とできない男性を分ける絶対的な境界線ではありません。

基準値を下回ったからといって妊娠が不可能という意味ではなく、基準値を上回っていれば必ず妊娠できるという意味でもありません。

精子濃度、総精子数、形態、夫婦の年齢、女性側の状態、これまでの不妊治療なども含めて判断する必要があります。

3ヶ月取り組んでも精子運動率が上がらないのはなぜ?

男性妊活では、精子がつくられて成熟するまでの時間を考え、約3ヶ月を一つの区切りとすることがあります。

しかし、

「3ヶ月生活を改善すれば、自然に運動率が上がる」

という意味ではありません。

変わらない理由として、主に次のような可能性が考えられます。

  • 検査条件が前回と異なっていた
  • 検査結果の自然な変動があった
  • 数週間から数ヶ月前に発熱や感染症があった
  • 睡眠、体重、喫煙など複数の要因が重なっている
  • 食事やサプリメントだけでは対応できない原因がある
  • 現在の取り組みが本人の課題と一致していない
  • 運動率だけを見て、検査全体を確認できていない

3ヶ月頑張ったことが、すべて無駄だったということではありません。

数値が変わらなかったときこそ、これまで行ってきたことを否定するのではなく、現在の状態と合っていたかを整理することが重要です。

「精子は3ヶ月で変わる」と言われたのに結果が変わらなかった場合は、次の記事も参考にしてください。

精子は3ヶ月で変わると言われたのに改善しないのはなぜ?男性妊活を見直す7つの視点

精子運動率が上がらないときに確認したい7つのこと

1.精索静脈瘤などの原因を確認しているか

最初に確認したいのは、男性不妊に関係する病気や身体的な問題が隠れていないかということです。

男性不妊に関係する原因には、次のようなものがあります。

  • 精索静脈瘤
  • ホルモンの異常
  • 精路の閉塞
  • 感染症
  • 遺伝学的な要因
  • 精巣の機能に関係する問題
  • 薬剤や治療の影響
  • 射精や勃起に関する問題

精索静脈瘤は、精巣周辺の静脈が拡張している状態です。

自覚症状がない男性もいますが、陰嚢の血管が目立つ、左右差がある、立っていると重だるい、違和感や痛みがあると感じる方もいます。

精子運動率が低いからといって、すべて精索静脈瘤が原因というわけではありません。

しかし、生活習慣やサプリメントだけを見直し、医療機関での確認を後回しにすることもおすすめできません。

ますぎ鍼灸マッサージ院では、精索静脈瘤そのものへの施術は行っていません。

精索静脈瘤が疑われる場合や、手術を勧められている場合は、泌尿器科や男性不妊を扱う医療機関での評価を優先してください。

精索静脈瘤については、次の記事でも詳しく解説しています。

精索静脈瘤とは?男性不妊で鍼灸院より泌尿器科を優先する理由

2.前回と今回で検査条件が違っていないか

精液検査の結果を比較するときは、数値だけでなく、採取条件も確認する必要があります。

例えば、次のような違いです。

  • 禁欲期間が何日だったか
  • 採取した検体の一部をこぼしていないか
  • 病院内と自宅のどちらで採取したか
  • 採取から検査までにかかった時間
  • 運搬時の温度や方法
  • 当日の体調や睡眠

禁欲期間が長ければ、必ずよい数値になるわけではありません。

検査や採精の前には、医療機関から指定された禁欲期間と採取方法を守ってください。

前回と今回を比べるときは、運動率だけでなく、精液量、精子濃度、総精子数、前進運動率なども併せて確認しましょう。

精液検査全体の見方については、次の記事で解説しています。

精液検査の数値が悪い原因は?男性が確認したい7つのこと

3.数週間から数ヶ月前に発熱や感染症がなかったか

運動率が以前より下がっていた場合は、検査直前の数日だけではなく、少し前までさかのぼって体調を振り返ってみましょう。

  • 高熱が出た
  • インフルエンザなどの感染症にかかった
  • 大きく体調を崩した
  • 手術や入院をした
  • 強い疲労が長期間続いた
  • 新しい薬を飲み始めた

精子がつくられて成熟するまでには一定の時間がかかります。

そのため、検査直前は元気でも、数週間から数ヶ月前の発熱や体調不良が関係している可能性があります。

思い当たる出来事がある場合は、再検査の時期を含めて担当医へお伝えください。

4.精巣周辺を長時間温める習慣がないか

精巣は陰嚢の中にあり、身体の外側に位置しています。

日常生活の中で、次のような習慣が長期間続いていないか確認してみましょう。

  • 高温のサウナへ頻繁に入る
  • 熱い風呂へ長時間入る
  • 膝の上でノートパソコンを使う
  • シートヒーターを長時間使用する
  • 高温環境で働く時間が長い

一度サウナへ入ったから、すぐに男性不妊になるという意味ではありません。

完全に禁止するのではなく、高温環境にさらされる頻度、温度、時間を確認することが大切です。

5.睡眠・体重・運動・座位時間をまとめて確認しているか

精子運動率が気になると、食事やサプリメントばかりに意識が向きやすくなります。

しかし、身体全体の状態を考えるうえでは、次のような生活習慣も確認する必要があります。

  • 毎日の睡眠時間
  • 寝る時間と起きる時間
  • 朝起きたときの疲労感
  • ここ数年の体重変化
  • 運動する頻度
  • 1日に座っている時間
  • 喫煙習慣
  • 飲酒量と飲酒頻度

仕事でパソコンを使い、一日中座っている男性も多いと思います。

特殊な運動を始める前に、1時間に一度は立ち上がる、数分歩く、階段を使うなど、座り続ける時間を減らすことから始めてもよいでしょう。

また、大きないびき、日中の強い眠気、睡眠中に呼吸が止まっていると言われる場合は、睡眠時無呼吸症候群などが隠れている可能性もあります。気になる場合は医療機関へご相談ください。

男性不妊と睡眠の関係については、次の記事も参考にしてください。

男性不妊と睡眠|精子の数・運動率が気になる男性が確認したい7つのこと

6.サプリメントを増やすことが目的になっていないか

精子運動率が上がらないと、

「亜鉛を増やしたほうがよいですか?」

「CoQ10やカルニチンを追加したほうがよいですか?」

という疑問が出てくるかもしれません。

男性不妊と抗酸化成分や栄養素については、さまざまな研究があります。

しかし、特定のサプリメントを飲めば、すべての男性の運動率が上がるとはいえません。

新しい商品を追加する前に、次の内容を確認してください。

  • 現在飲んでいる商品の名前
  • 含まれている成分と摂取量
  • 同じ成分を重複して摂っていないか
  • 普段の食事内容
  • 服用している薬との組み合わせ
  • 飲み始めた時期

医師から勧められたサプリメントや処方薬は、自己判断で変更・中止せず、担当医へ確認してください。

サプリメントを3ヶ月以上続けても精液検査が変わらない場合は、次の記事もご覧ください。

男性不妊でサプリを3ヶ月飲んでも精液検査が変わらないときに考えたいこと

7.次の採精・採卵予定から逆算しているか

男性妊活では、時間軸を確認することも重要です。

次の予定がいつなのかを確認してみましょう。

  • 次回の精液検査
  • 人工授精
  • 体外受精・顕微授精
  • 採卵に合わせた採精
  • 精索静脈瘤の手術
  • TESE・micro-TESE

次の予定まで3ヶ月ある方と、1ヶ月しかない方では、優先する内容が異なります。

3ヶ月なければ何もできないということではありません。

残された期間に合わせて、医療機関で確認すること、睡眠や食事で見直すこと、現在の取り組みを継続することに分けて考えます。

精子運動率だけを追いかけないことも大切です

男性妊活をしていると、

「運動率を何%まで上げたい」

「前回より数字をよくしたい」

と、一つの数値だけに意識が集中することがあります。

もちろん、精液検査の結果は重要です。

しかし、妊活の目的は精液検査でよい数字を出すことだけではありません。

精子濃度、総精子数、運動率、前進運動率、形態だけでなく、次のような情報も含めて考える必要があります。

  • 夫婦それぞれの年齢
  • 女性側の検査結果
  • これまでの治療歴
  • 受精の状況
  • 胚の発育状況
  • 次回の採卵・採精予定

運動率が低かったからといって、すべて自分の責任だと考える必要はありません。

妻だけに不妊治療を任せるのではなく、男性側も一緒に準備していくという視点が大切です。

精子運動率が低い場合の病院と鍼灸院の役割

病院と鍼灸院では、できることが異なります。

病院で確認すること

  • 精液検査と再検査
  • 病歴や服薬状況の確認
  • 診察
  • 精索静脈瘤などの確認
  • 超音波検査
  • ホルモン検査
  • 感染症や遺伝学的な要因の確認
  • 薬、手術、生殖補助医療などの判断

ますぎ鍼灸マッサージ院で整理すること

  • これまでの精液検査の変化
  • 現在の食事とサプリメント
  • 睡眠、運動、体重、飲酒、喫煙
  • 長時間のデスクワークや身体の緊張
  • 次回の採精や採卵予定
  • 現在できていること
  • 優先して見直したいこと
  • 無理に増やさなくてよいこと

鍼灸は、泌尿器科で行う検査、診断、投薬、手術などに代わるものではありません。

まず医療機関で原因を確認し、その結果を踏まえて役割を分けながら併用することが大切です。

ますぎ鍼灸マッサージ院の男性妊活に対する考え方

ますぎ鍼灸マッサージ院では、運動率という一つの数値だけを見るのではなく、男性妊活を次の流れで整理します。

  1. 精子をつくるための材料となる栄養を考える
  2. 食事を続けやすい胃腸や生活の状態を確認する
  3. 睡眠、運動、仕事などを含めて身体全体を整える
  4. 精巣を含む身体環境を医療機関の検査と併せて考える

精子をつくる材料を考える

身体が精子をつくるためには、食事から得るさまざまな栄養素が必要です。

ただし、「亜鉛だけ」「CoQ10だけ」と考えるのではなく、普段の食事、摂取量、偏りなども確認します。

食事を続けられる身体の状態を確認する

食事時間が不規則だったり、胃もたれや便通の乱れが続いていたりすれば、食生活そのものを継続することが難しくなります。

ただし、胃腸の状態を整えれば運動率が上がる、栄養が精巣へ届くようになると断定するものではありません。

当院では、食事と生活習慣を整理するための一つの視点として、食欲、便通、食事時間などを確認しています。

身体全体のコンディションを整える

当院では、高麗手指鍼、整体、セルフケアなどを身体の状態に合わせて組み合わせます。

高麗手指鍼は、手に身体の各部位が対応しているという施術理論をもとに、手にある生殖器の反射区などへ刺激を行います。

これは当院の施術方針であり、鍼灸によって精子運動率が必ず上がることを保証するものではありません。

施術・セルフケア・生活習慣の3つを組み合わせ、病院での治療を優先しながら身体づくりをサポートします。

当院の男性妊活に対する考え方は、次の記事でも解説しています。

男性不妊を3つのレベルで考える|栄養・吸収・身体の状態から考える男性妊活

よくある質問

精子運動率が低いと自然妊娠は難しいですか?

運動率だけで自然妊娠の可能性を判断することはできません。

精子濃度、総精子数、前進運動率、正常形態率、女性側の年齢や状態、妊活期間なども関係します。検査結果は担当医へご確認ください。

3ヶ月生活改善しても変わらなかったら、もう改善しませんか?

一度の再検査だけで、今後の状態を決めつけることはできません。

検査条件や体調による変動、生活習慣以外の原因も考えられます。自己流の取り組みを増やす前に、医療機関で必要な評価を受け、現在行っていることを整理しましょう。

運動率が低い場合、サプリメントを増やすべきですか?

すぐに追加するとは限りません。

現在の成分と摂取量、重複、普段の食事、服用している薬などを確認してください。医師から勧められているものは自己判断で中止せず、担当医へご相談ください。

1回だけ運動率が低かった場合も受診が必要ですか?

一度の検査結果だけですべてを判断することはできませんが、自己判断で放置することもおすすめできません。

再検査の必要性や受診時期について、検査を受けた医療機関へご確認ください。

精索静脈瘤に鍼灸で対応できますか?

ますぎ鍼灸マッサージ院では、精索静脈瘤そのものへの施術は行っていません。

診断や手術の判断は、泌尿器科や男性不妊を扱う医療機関へご相談ください。手術後も数値が思うように変わらず、医師の管理のもとで生活習慣や身体のコンディションを見直したい場合はご相談いただけます。

次の採精まで1ヶ月でも相談できますか?

ご相談いただけます。

3ヶ月経たなければ何もできないわけではありません。次の採精予定を確認し、現在の生活で優先したいことを整理します。

男性不妊に対する鍼灸でできること・できないことは、次の記事で整理しています。

男性不妊に対する鍼灸とは?できること・できないことと病院との併用

新宿・神楽坂の当院の考え方や初回の流れは、こちらをご覧ください。

新宿・神楽坂で男性不妊の鍼灸を探している方へ

同じお悩みでご来院された方の声

※お客様ご本人の感想です。変化や結果には個人差があります。

まとめ

食事、サプリメント、睡眠、運動を3ヶ月以上続けても精子運動率が上がらない場合、単純に努力が足りないとは限りません。

次の7つを確認してみましょう。

  1. 精索静脈瘤などの原因を確認しているか
  2. 前回と今回で検査条件が違っていないか
  3. 数週間から数ヶ月前に発熱や感染症がなかったか
  4. 精巣周辺を長時間温める習慣がないか
  5. 睡眠・体重・運動・座位時間をまとめて確認しているか
  6. サプリメントを増やすことが目的になっていないか
  7. 次の採精・採卵予定から逆算しているか

精子運動率が変わらなかったからといって、今まで行ってきたことをすべて否定する必要はありません。

色々やっているのに変わらない男性こそ、新しいことを増やす前に、今までの男性妊活を一度整理してみませんか。

ますぎ鍼灸マッサージ院では、検査結果、病院での治療、次の採精予定、食事、サプリメント、睡眠、運動などを確認し、

  • 今できていること
  • 優先したいこと
  • 無理に増やさなくてよいこと
  • 病院で確認したほうがよいこと
  • 当院でサポートできること

を一緒に整理します。

次の採精までに何を優先すればよいか分からない方、自己流の男性妊活に限界を感じている方は、分かる範囲で現在の状況をお聞かせください。

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男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院

東京都新宿区矢来町124-3 ブリス神楽坂205
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電話:03-6262-6835

執筆・監修:ますぎ鍼灸マッサージ院 院長 真杉孝博(鍼灸師)

当院は医療機関ではなく、病気の診断、薬の処方、手術などの医学的治療は行いません。精液検査の異常や身体症状がある場合は、泌尿器科などの医療機関へご相談ください。鍼灸施術による結果には個人差があり、精液所見の変化や妊娠を保証するものではありません。

参考資料

ますぎ鍼灸マッサージ院