「亜鉛やCoQ10などのサプリメントも続けた」
「睡眠や運動にも気をつけたのに、精液検査の数値がほとんど変わらなかった」
このような結果を見て、
「自分のやり方が間違っていたのではないか」
「また3ヶ月続けても変わらなかったらどうしよう」
と不安になっている男性もいると思います。
この記事の結論
「精子は約3ヶ月で変わる」という言葉は、3ヶ月間取り組めば精液検査の数値が必ず改善するという意味ではありません。
精液検査の結果には変動があり、男性不妊の背景も一人ひとり異なります。
3ヶ月後に結果が変わらなかった場合は、さらにサプリメントやセルフケアを増やす前に、検査条件、医療機関での評価、食事、睡眠、運動、体重、仕事環境などを一度整理することが大切です。
今まで続けてきた取り組みが、すべて無駄だったわけではありません。
すでにできていることを活かしながら、現在の自分に必要なことと、無理に増やさなくてもよいことを整理していきましょう。
精子は3ヶ月で改善するという意味ではありません
精子がつくられて成熟するまでには時間がかかります
男性妊活では、よく「精子は約3ヶ月で変わる」と説明されます。
これは、精子が精巣でつくられ、成熟して射精されるまでに一定の時間が必要だからです。
そのため、男性妊活では約3ヶ月を、生活習慣や身体の状態を見直す一つの区切りとして考えることがあります。
しかし、これは3ヶ月経過すれば自然に精子数や運動率が改善するという意味ではありません。
3ヶ月は結果を保証する期限ではありません
例えば、3ヶ月間サプリメントを飲んでいても、男性不妊の背景に精索静脈瘤、ホルモンの問題、遺伝学的な要因、閉塞、薬の影響などがあれば、生活習慣だけでは対応できない場合があります。
また、同じ「3ヶ月間の生活改善」であっても、実際に取り組んだ内容や生活環境は一人ひとり違います。
- サプリメントだけを追加した
- 睡眠時間も見直した
- 運動を始めたが、仕事が忙しく続かなかった
- 平日は整えられたが、休日に生活リズムが崩れていた
- 次の採精直前になってから取り組み始めた
こうした違いがあるため、「3ヶ月取り組んだ」という期間だけで結果を判断することはできません。
3ヶ月後の精液検査が変わらないのはなぜ?
精液検査の結果には変動があります
精液検査の数値は、毎回まったく同じになるものではありません。
前回より精子濃度が高くなることもあれば、運動率が低くなることもあります。
検査結果には、次のような条件が関係することがあります。
- 禁欲期間
- 採取時の状態
- 検体をすべて採取できたか
- 採取してから検査までの時間
- 自宅採取か院内採取か
- 発熱や感染症
- 睡眠不足や強い疲労
- 検査施設や検査方法の違い
そのため、1回の結果だけを見て、「3ヶ月間の取り組みには意味がなかった」と判断する必要はありません。
反対に、一度よい数値が出たから、その後も問題がないと決めつけることもできません。
再検査の必要性や時期については、担当医へ確認してください。
精液検査の一つの数値だけでは判断できません
精液検査では、主に次のような項目を確認します。
- 精液量
- 精子濃度
- 総精子数
- 総運動率
- 前進運動率
- 正常形態率
ただし、精子濃度や運動率など、一つの数値だけで男性の妊孕性をすべて判断できるわけではありません。
夫婦の年齢、女性側の状態、不妊期間、これまでの治療、受精や胚発育の状況なども含めて考える必要があります。
生活習慣以外の原因が隠れていることがあります
精液検査の数値が変わらないと、
「もっと食事を改善しなければ」
「サプリメントを追加しなければ」
と考えやすくなります。
しかし、男性不妊の背景には、生活習慣だけではなく、次のような要因が関係する場合があります。
- 精索静脈瘤
- ホルモンの問題
- 感染症
- 遺伝学的な要因
- 精路の閉塞
- 射精に関する問題
- 服用している薬や治療の影響
- 過去の手術や病気
精液検査で異常を指摘された場合は、生活習慣の見直しだけで済ませず、泌尿器科や男性不妊を扱う医療機関での評価をご検討ください。
当院では精索静脈瘤そのものへの対応は行っていません。精索静脈瘤が疑われる場合や手術を勧められている場合は、泌尿器科での診察と治療判断を優先してください。
サプリメントを3ヶ月飲んでも変わらないのはなぜ?
男性妊活では、次のような成分がよく知られています。
- 亜鉛
- CoQ10
- カルニチン
- ビタミンD
- 葉酸
- ビタミンC・E
これらの栄養素や抗酸化成分については研究が行われていますが、特定のサプリメントを飲めば、すべての男性の精液検査が改善するとはいえません。
男性不妊に対するサプリメントについて、現時点では有用性を判断するための確実なデータが十分とはいえないものもあります。
サプリメントを増やし続ける前に、次の点を確認してみましょう。
- 現在飲んでいるサプリメントの種類と量
- 同じ成分を重複して摂っていないか
- 食事から何を摂れているか
- 薬との組み合わせに問題がないか
- 本当に不足が確認されている栄養素なのか
- 胃腸の不調が続いていないか
サプリメントを飲んでも数値が変わらなかったことは、本人の努力不足を意味するものではありません。
「何を追加するか」だけではなく、現在行っている男性妊活が、自分の状態や治療予定に合っているかを確認することが大切です。
3ヶ月取り組んでも変わらないときに確認したい7つのこと
1.検査条件と過去の結果を並べる
前回と今回の数値だけを見比べるのではなく、検査条件も一緒に確認します。
- 検査日
- 禁欲期間
- 院内採取か自宅採取か
- 採取から検査までの時間
- 精液量
- 精子濃度
- 総精子数
- 総運動率・前進運動率
- 正常形態率
検査結果を時系列にしてみると、一つの数値だけでは分からなかった変化を確認しやすくなります。
2.泌尿器科などで男性側の評価を受ける
食事やサプリメントを続けていても、男性側の詳しい検査を受けていない方は少なくありません。
必要に応じて、泌尿器科や男性不妊外来では、診察、超音波検査、ホルモン検査、遺伝学的検査などが検討されます。
無精子症、極端に少ない精子数、陰嚢の腫れや痛み、精索静脈瘤、ホルモン異常などを指摘されている場合は、鍼灸やセルフケアより医療機関での評価を優先してください。
3.食事とサプリメントを一覧にする
「身体によいものを摂っているか」だけでなく、1日の食事全体を確認します。
- 朝食を抜いていないか
- たんぱく質源が極端に少なくないか
- 野菜や果物が不足していないか
- 外食や加工食品に偏っていないか
- 極端な糖質制限や脂質制限をしていないか
- サプリメントの種類が増えすぎていないか
当院では、男性妊活を「精子を作る材料」だけで考えていません。
食事やサプリメントから必要な栄養素を摂ることに加えて、食事の状態、胃腸の調子、睡眠や疲労など、身体全体のコンディションを確認します。
ただし、胃腸を整えれば精液検査が改善する、摂った栄養が必ず精巣へ届くという医学的な結果を保証するものではありません。
4.睡眠時間と睡眠の質を確認する
次のような状態が続いていないでしょうか。
- 睡眠時間が毎日5〜6時間程度
- 就寝時間が日によって大きく違う
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝起きても疲れが残っている
- 寝る直前まで仕事やスマートフォンを見ている
- 寝酒が習慣になっている
大きないびき、日中の強い眠気、睡眠中に呼吸が止まっていると言われる場合は、睡眠時無呼吸症候群などが隠れている可能性もあります。気になる場合は医療機関へ相談してください。
5.体重・運動・座っている時間を確認する
忙しい会社員では、朝から夜までほとんど座ったままということもあります。
- 通勤以外ではほとんど歩かない
- 一度座ると2〜3時間立たない
- 運動を始めても継続できない
- ここ数年で体重が増えた
- 休日も座って過ごすことが多い
男性妊活のために、特別な運動を無理に始める必要はありません。
まずは1時間に一度立つ、数分歩く、階段を使うなど、続けられる身体活動から考えてみましょう。
6.数週間から数ヶ月前の体調を振り返る
検査直前の生活だけでなく、少し前の体調も振り返ります。
- 高熱が出た
- 感染症にかかった
- 大きく体調を崩した
- 手術や入院をした
- 強い疲労や睡眠不足が続いた
- 新しい薬を飲み始めた
思い当たることがある場合は、検査結果とともに担当医へ伝えてください。
7.次の採精・採卵から逆算する
次の採精まで3ヶ月ある方と、1ヶ月しかない方では、取り組み方が異なります。
まず、次の予定を確認してください。
- 次回の精液検査
- 人工授精
- 体外受精・顕微授精
- 採卵に合わせた採精
- 精子凍結
- 手術やmicro-TESE
時間が短いからといって、焦って新しいサプリメントや厳しい生活制限を増やす必要はありません。
残された期間の中で、何を優先するかを整理することが大切です。
新しいことを増やす前に男性妊活を整理してみませんか?
3ヶ月頑張っても数値が変わらないと、さらに多くの情報を探したくなると思います。
しかし、情報を増やすほど、
「結局、自分には何が必要なのか」
が分からなくなることもあります。
そのようなときは、男性妊活を次の4つに分けてみましょう。
- すでにできていること
- 今後も継続したいこと
- 無理に増やさなくてもよいこと
- 病院で確認した方がよいこと
今まで取り組んできたことを、全部やめたり否定したりする必要はありません。
すでに取り組めていることを活かしながら、現在の状況に合わせて優先順位をつけ直すことが重要です。
男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院の考え方
男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院では、男性妊活を大きく次の流れで考えています。
- 精子を作るための材料となる栄養を考える
- 食事や胃腸の状態を確認する
- 睡眠、運動、仕事、身体の緊張などを含めて全身のコンディションを整える
- 病院での評価を前提に、精巣を含む男性妊活の身体環境を考える
初回相談では、精液検査の数字だけではなく、次の内容を確認します。
- これまでの精液検査の推移
- 病院で受けている検査と治療
- 現在飲んでいる薬やサプリメント
- 食事と胃腸の状態
- 睡眠、運動、仕事、飲酒、喫煙
- 長時間のデスクワーク
- 次回の採精・採卵予定
そのうえで、鍼灸、整体、セルフケア、生活習慣を組み合わせて、身体のコンディショニングを行います。
当院で行う高麗手指鍼は、手に身体の各部位が対応するという施術理論に基づき、手にある精巣の反射区などへ刺激を行う方法です。
これは医療機関で行う検査・診断・投薬・手術に代わるものではありません。また、施術によって精子数や運動率が必ず変わる、妊娠につながると保証するものではありません。
病院と鍼灸院の役割を分けながら、現在の男性妊活を一度整理する場所としてご相談ください。
よくある質問
3ヶ月後に変わらなかった場合、もう一度3ヶ月続ければ改善しますか?
さらに3ヶ月続ければ改善するとは断定できません。
同じ方法をそのまま続ける前に、精液検査の条件、男性側の医学的な評価、現在の食事や生活習慣、次回の治療予定を整理してください。
サプリメントを追加した方がよいですか?
自己判断で種類や量を増やす前に、現在飲んでいるサプリメントを一覧にして、重複や過剰摂取がないか確認しましょう。
薬を服用している方や持病がある方は、医師や薬剤師へ相談してください。
前回より数値が悪くなったのは、生活改善に失敗したからですか?
前回より数値が低かったことだけで、生活改善に失敗したとは判断できません。
精液検査には変動があります。禁欲期間、採取条件、発熱、感染症、体調などを確認し、担当医へ相談してください。
次の採精まで1ヶ月しかなくても相談できますか?
ご相談いただけます。
1ヶ月で精液所見が変わると保証することはできませんが、現在行っていることを整理し、限られた期間の中で何を優先するかを一緒に考えることはできます。
病院で治療中でも鍼灸を受けられますか?
病院での検査や不妊治療と併用することは可能です。
現在服用している薬、手術予定、採卵・採精予定などがある場合は、初回相談時にお伝えください。担当医の治療方針を優先して施術計画を考えます。
男性不妊に対する鍼灸でできること・できないことは、次の記事で整理しています。
男性不妊に対する鍼灸とは?できること・できないことと病院との併用
新宿・神楽坂の当院の考え方や初回の流れは、こちらをご覧ください。
同じお悩みでご来院された方の声
※お客様ご本人の感想です。変化や結果には個人差があります。
まとめ
「精子は約3ヶ月で変わる」という言葉は、3ヶ月取り組めば必ず精液検査が改善するという意味ではありません。
3ヶ月後に結果が変わらなかった場合は、次の点を確認しましょう。
- 検査条件と過去の結果を並べる
- 泌尿器科などで男性側の評価を受ける
- 食事とサプリメントを一覧にする
- 睡眠時間と睡眠の質を確認する
- 体重、運動、座っている時間を確認する
- 数週間から数ヶ月前の体調を振り返る
- 次の採精・採卵から逆算する
今まで行ってきたことが、すべて間違っていたわけではありません。
新しいことを増やす前に、すでに取り組めていることを活かしながら、男性妊活を一度整理してみましょう。
3ヶ月以上取り組んでも変わらず、次に何をすればよいか迷っている方へ
男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院では、精液検査の推移、病院で受けている治療、現在の食事やサプリメント、生活習慣、次回の採精・採卵予定を確認しながら、次の内容を一緒に整理します。
- 今できていること
- 優先して見直したいこと
- 無理に増やさなくてもよいこと
- 病院で確認した方がよいこと
- 当院でサポートできること
「また3ヶ月続けてよいのか分からない」
「次の採精までに何を優先すればよいか知りたい」
という方は、分かる範囲で現在の状況をお聞かせください。
LINE相談で教えていただきたいこと
- 現在どのようなことでお悩みですか?
- 年齢・身長・体重
- 現在受けている不妊治療や検査
- 分かる範囲で精液検査の結果
- 現在飲んでいる薬やサプリメント
- 次の採精・精液検査・採卵などの予定
すべて分からなくても問題ありません。お答えいただける範囲で大丈夫です。
男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院のご案内
男性不妊専門 ますぎ鍼灸マッサージ院
東京都新宿区矢来町124-3 ブリス神楽坂205
東京メトロ東西線 神楽坂駅2番出口(矢来口)徒歩1分
電話:03-6262-6835
執筆・監修:ますぎ鍼灸マッサージ院 院長 真杉孝博(鍼灸師)
参考資料
- World Health Organization:WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th edition
- European Association of Urology:Male Infertility Guidelines
- AUA/ASRM:Diagnosis and treatment of infertility in men, Part I
- AUA/ASRM:Diagnosis and treatment of infertility in men, Part II
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の診断、再検査の時期、投薬、手術、不妊治療などの判断については、泌尿器科・生殖医療を扱う医療機関へご相談ください。鍼灸・整体による結果には個人差があり、妊娠や精液所見の変化を保証するものではありません。
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