なぜ顕微授精はなかなかうまくいかないのか?

 

なぜ顕微授精はなかなかうまくいかないのか?

 

「顕微授精をすれば、なんとかなると思っていた」

 

「体外受精も何度か試した。でも、うまくいかない…」

 

そんな声を多くの方からいただきます。

 

妊活の中でも、最もステップの進んだ方法とも言える顕微授精。

 

ところが、その成功率は決して高くありません。

 

今回は、「なぜ顕微授精がうまくいかないことがあるのか?」という視点から、体の内側で起きていることを一緒に考えてみたいと思います。

 

顕微授精とは?

 

顕微授精(ICSI)とは、精子を1つ選んで、卵子の中に直接注入する方法です。

 

精子の数が少ない、運動率が低い、自然妊娠や体外受精では難しいとされるケースでも使われる方法です。

 

技術としては非常に進歩しており、「授かる可能性を広げる選択肢」として多くのご夫婦が取り組んでいます。

 

技術が高くても、結果につながらない理由

 

「直接入れるんだから、うまくいきそう」と思われがちですが、実際には顕微授精1回でうまくいく確率は20〜30%前後とも言われています。

 

では、なぜうまくいかないのでしょうか?

 

1.精子と卵子の“質”に左右される

 

顕微鏡で見て元気そうに見える精子でも、

 

中のDNAやミトコンドリアの状態までは分かりません。

 

たとえば、

 

  • 精子のDNA断片化
  • 精子内ミトコンドリアの働きの低下
  • 酸化ストレスによるダメージ

といった「目に見えない要素」が、受精や着床の壁になることがあります。

 

2.“体全体の状態”が背景にある

 

精子や卵子の質は、単に一部分の問題ではなく、

 

日々の生活、栄養、血流、ホルモン、自律神経など体全体のコンディションと深く関わっています。

 

つまり、技術では補いきれない“土台の部分”が結果を左右するということです。

 

顕微授精に向けた“体づくり”の大切さ

 

実際に、顕微授精に向けて体づくりを意識された方の中には、

 

「今までより精子の数値が安定してきた」

 

「採卵数が増えた」

 

「胚盤胞まで育つ確率が上がった」

 

という変化を感じる方もいらっしゃいます。

 

この“体づくり”とは、単に「健康的な生活をしましょう」という話ではなく、

 

・冷えを減らす

・睡眠の質を高める

・腸内環境を整える

・ストレスを抜く時間をつくる

 

といった本来の体の働きを引き出すアプローチのことです。

 

東洋医学では、精子や卵子の状態は「腎」の力や「血のめぐり」と関係が深いとされており、

 

その人の“内側の流れ”に着目しながら、丁寧に整えていくことを大切にします。

 

最後に

 

顕微授精は、素晴らしい技術です。

 

でも、「最後の砦」ではありません。

 

テクノロジーと、自分の体の力。

 

この2つが両方そろってこそ、結果につながる道が開かれていきます。

 

何度も繰り返すたびに、焦りや不安が大きくなることもあるかもしれません。

 

そんなときこそ、数値では見えない“体の根っこ”を整えることが、

 

次のチャンスにつながる大事な一歩になるかもしれません。

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