男性不妊症と精子の細胞損傷

男性不妊症と精子の細胞損傷:精子力を取り戻すためにできること

 

男性不妊症の原因の一つとして、精子の「細胞損傷」が注目されています。

特に近年、日本人の精子が危機的な状況にあると指摘されており、その背景には食品添加物や化学物質の影響が考えられています。

しかし、私たちが無意識に行っている日常の生活習慣も、精子に大きな影響を与えていることが分かってきました。

精子力の低下は、さまざまな健康問題と密接に関係していることが報告されています。

 

精子力の問題とは?

 

精液の量や精子の運動率が基準を満たしていても、「精子力」に問題がある場合があります。

この「精子力」とは、精子が正常に機能し、受精する力を指します。

最近の研究では、20代~30代の男性を対象に精液を精密に検査したところ、全体の26%にDNAの損傷が見つかりました。

DNAの損傷が22%を超えると、自然妊娠の可能性が低下することが知られています。

さらに、受精卵にたどり着いても受精が成功しない、または受精しても正常な胚に発育しないリスクが高くなります。

 

「異常なし」でも安心できない理由

 

「検査では異常なし」と言われたのに妊娠が成立しないという悩みを抱えているカップルは少なくありません。

原因不明の不妊症と診断されることも多いですが、実は「原因はある」のです。

それが、精子のDNAに起こる損傷です。

通常の精子検査では、精子の数や運動率などの物理的な数値がチェックされますが、DNAの損傷は一般的な検査では確認できません。

 

このように、検査で「異常なし」と言われていても、妊娠が難しい場合は精子の細胞が損傷している可能性があります。

精子のDNAが損傷していると、妊娠の成功率が低下するだけでなく、受精してもその後の発育が正常に進まない場合があるのです。

 

精子のDNA損傷を抑制する方法

 

精子のDNA損傷を抑えることは、妊娠の可能性を高めるために非常に重要です。

そのため、夫婦で一緒に生活習慣を見直し、精子の健康を守るための取り組みを行うことが推奨されます。

以下のポイントに注目して生活改善を試みましょう。

 

1. 食生活の改善

添加物や化学物質が含まれた食品の摂取を控え、自然由来の食材を中心にバランスの取れた食事を心がけることが大切です。

特にビタミンCやビタミンE、抗酸化作用のある食材は、精子の酸化ストレスを軽減し、DNAの損傷を防ぐ効果があります。

 

2. ストレス管理

ストレスは体内で活性酸素を増加させ、精子の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

日々のストレスを軽減するためのリラクゼーションや運動習慣を取り入れることが大切です。

 

3. 適切な運動と睡眠

適度な運動は血流を促進し、精子の質を向上させると考えられています。

また、十分な睡眠を確保することで体全体の回復力が高まり、精子の健康にも良い影響を与えます。

 

まとめ

 

男性不妊症に悩む方にとって、精子のDNA損傷は見逃されがちな原因の一つです。

精子の数や運動率が問題なくても、DNAに損傷がある場合は妊娠が難しいことがあります。

夫婦で生活習慣を見直し、精子のDNA損傷を防ぐ努力をすることで、妊娠の可能性を高めることができるかもしれません。

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