東洋医学で考える男性不妊|「気虚タイプ」の特徴と改善策

 

男性不妊の原因は様々ですが、東洋医学では体質によってアプローチが異なります。

 

その中でも、「気虚(ききょ)」タイプは、エネルギー不足による精力低下や精子の質の低下が特徴です。

 

今回は、気虚による男性不妊の特徴と、その改善策について解説します。

 

1. 気虚とは?エネルギー不足による男性不妊

 

東洋医学でいう「気」とは、生命エネルギーのことを指します。

この気が不足すると、体の機能が低下し、疲れやすくなったり、精力が減退したりするのが「気虚」です。

男性不妊の場合、気虚によって精子の運動率が低下し、受精能力が低くなることが問題となります。

 

2. 気虚の特徴|こんな症状はありませんか?

☑︎ 性欲の低下、勃起力の低下

☑︎ 精子の運動率が低く、精子の数が少ない

☑︎ 疲れやすく、回復が遅い

☑︎ 食後に強い眠気を感じる

☑︎ 胃腸が弱く、消化不良になりやすい

☑︎ 手足が冷えやすい、血流が悪い

☑︎ 顔色が青白く、元気がない

☑︎ 汗をかきやすく、動くとさらに疲れる

 

これらの症状に当てはまる場合、気が不足している「気虚タイプ」の可能性が高いです。

 

3. 気虚の主な原因

☑︎ 過労やストレス → 長時間労働、睡眠不足、精神的ストレス

☑︎ 食生活の乱れ → 栄養不足、冷たいものの摂りすぎ、暴飲暴食

☑︎ 胃腸の弱り → 消化吸収が悪く、エネルギーを作れない

☑︎ 運動不足 → 筋力低下により、気の巡りが悪くなる

☑︎ 加齢 → 年齢とともに気の生産能力が低下

 

4. 気虚を改善する5つの方法|エネルギーを補う

 

① 栄養バランスの良い食事を心がける(補気の食材)

気は食事から作られるため、気を補う食材を意識して摂取することが重要です。

 

☑︎ おすすめの食材(補気作用)

• 穀物:玄米、もち米、オートミール
• たんぱく質:鶏肉、卵、大豆製品(豆腐・納豆)
• 野菜:かぼちゃ、山芋、にんじん、キャベツ
• 果物:なつめ、クコの実、りんご
• ナッツ類:くるみ、松の実
• ハーブ・調味料:生姜、にんにく、黒糖

 

☑︎ 避けるべき食べ物

 

冷たい飲み物(アイスコーヒー・冷たい水)

刺激物(辛いもの・揚げ物)

甘いお菓子(砂糖の過剰摂取はエネルギーを消耗する)

 

② 胃腸を整え、消化力を高める

気は食事から作られるため、胃腸が弱るとエネルギー不足になります。

 

☑︎ 気を補う食事法

• よく噛んで食べる(消化吸収を助ける)
• 温かいスープやおかゆを取り入れる(消化しやすい)
• 食べすぎを避ける(胃腸に負担をかけない)

 

③ 漢方で気を補う(補気の漢方)

 

気虚の改善には、補気作用のある漢方薬が有効です。

 

☑︎ 代表的な漢方

• 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):気を補い、疲労回復・免疫力向上

• 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):気と血を同時に補う

• 四君子湯(しくんしとう):胃腸を整え、エネルギーを作る力を高める

 

漢方を試す場合は、専門家に相談して自分に合ったものを選びましょう。

 

④ 軽めの運動で気を巡らせる

 

気虚の人は、激しい運動よりも軽めの運動で気の巡りを改善することが大切です。

 

☑︎ おすすめの運動
• ウォーキング(1日20分)
• ストレッチ・ヨガ(呼吸を意識する)
• 気功・太極拳(ゆったりした動きで気を補う)

 

⑤ 質の良い睡眠をとる

 

気は、睡眠中に回復・蓄積されるため、十分な休息が不可欠です。

 

☑︎ 睡眠のポイント

• 毎日 7〜8時間 の睡眠を確保する
• 寝る1時間前にスマホ・PCを見ない(脳を休ませる)
• 寝る前に白湯やハーブティーで体を温める

 

5. まとめ|気虚を改善し、男性不妊を克服する

 

☑︎ 疲れやすく、元気が出ない人は「気虚タイプ」の可能性

☑︎ 補気の食材(玄米・鶏肉・山芋)を積極的に摂る

☑︎ 胃腸を整え、消化しやすい温かい食事を心がける

☑︎ 軽い運動(ウォーキング・ストレッチ)で気の巡りを良くする

☑︎ 補中益気湯などの漢方でエネルギーを補う

☑︎ 十分な睡眠をとり、気を蓄える

 

気を補う生活を意識することで、精子の質向上・ホルモンバランス改善・妊娠力アップが期待できます。

 

日々の食事や生活習慣を見直し、無理なく続けられる方法で体質改善を目指しましょう!

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