無精子症でも精子が見つかる可能性は?

 

 

無精子症と診断されても、すべての人が同じ状況ではありません。

 

タイプによって、TESE(精巣内精子採取術)で精子が見つかる確率は大きく異なります。

 

TESEで精子が見つかる確率

 

閉塞性無精子症(99%)
精管が詰まっているだけのため、精子は精巣内に正常に作られています。
TESEを行えば、ほぼ確実に精子を採取できます。

 

高度乏精子症(97%)
精子の数が極端に少ない状態ですが、精巣内にはまだ精子が残っている可能性が高いです。
TESEで高確率で精子が見つかります。

 

染色体異常なし&既往歴なし(20〜30%)
無精子症の中でも、特に原因がはっきりしないケースです。
この場合、精子が見つかる確率はやや低く、TESEを行っても20〜30%程度にとどまります。

 

AZFa/b欠失(0%)
遺伝的な要因で、精子を作る機能が完全に失われています。
この場合、TESEを行っても精子は一切見つかりません。

 

AZFc欠失(80%)
AZFa/b欠失とは異なり、精子を作る能力が一部残っているため、TESEで精子が見つかる可能性が高いです。
約80%の確率で精子が採取できます。

 

抗がん剤治療後(50%)
抗がん剤治療は精巣に影響を与えることがあり、精子の生産が大幅に低下することがあります。
しかし、半数のケースでは精子が残っている可能性があります。

 

停留精巣術後(80%)
幼少期に停留精巣の手術を受けた場合でも、精巣の機能が部分的に保たれていることがあります。
TESEを行うと、約80%の確率で精子が見つかります。

 

クラインフェルター症候群(50%)
染色体異常の一つですが、20代のうちは約60%の確率で精子が見つかることがあります。
年齢とともに精子の数が減るため、早めの対応が重要です。

 

全体の確率は約4割。

しかし、無精子症と診断されたからといって、希望を捨てる必要はありません。

 

精子が見つかる可能性を高める方法

 

精索静脈瘤の手術で改善することがある

精索静脈瘤は、精巣の血流を悪化させ、精子の生産に影響を与えることがあります。
手術を行うことで、精巣の環境が改善され、精子が作られるようになる可能性があります。

 

ホルモン治療で精子が回復するケースもある

ホルモンバランスの乱れが原因の場合、ホルモン補充療法によって精子の生産が回復することがあります。
特にFSH(卵胞刺激ホルモン)やテストステロンの値を調整することで、精子の生成が促される可能性があります。

 

施設ごとに手術成績が異なるため、実績を確認するのも大切

TESEの成功率は医師の技術によっても変わります。
病院ごとに手術成績が異なるため、無精子症の治療に実績のある施設を選ぶことが重要です。

 

無精子症と診断されても、まだ道はあります。

 

まずは自分がどのタイプの無精子症なのかを知ることが、次の一歩につながります。

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